将棋界の新星「ポスト藤井」は小学6年生 世界的数学者の父から「数学脳」を継承 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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将棋界の新星「ポスト藤井」は小学6年生 世界的数学者の父から「数学脳」を継承

大平誠AERA
喫茶店で山下数毅君が注文したのはココア。取材が終わると記者にはにかみながら手を振り、自転車で帰宅した/2020年11月7日、京都市内(撮影/編集部・大平誠)

喫茶店で山下数毅君が注文したのはココア。取材が終わると記者にはにかみながら手を振り、自転車で帰宅した/2020年11月7日、京都市内(撮影/編集部・大平誠)

 家族や親戚では、剛さんが趣味でチェスをするぐらいで、将棋をする人はいない。山下君は日々公立小学校に通い、帰宅して宿題、食事と入浴を済ますと、自分の決めた課題をこなすまでパソコンなどで将棋の研究に没頭しているという。

「将棋そのものが好きなようで、毎日コツコツと取り組んでいます。対局で負けて大泣きしたこともないし、勝敗を気にしていないように見えますね。本人は悔しがっているらしいんだけど(笑)」と紀子さん。

■パソコン好きも共通項

 山下君に今後の目標や好きな棋士を尋ねても、返ってくる答えは超然としている。

「棋士にはなりたいけど、あんまり考えていません。自分が強くなった実感もないし、初段になってからは相手が間違えてくれなくなりました。好きな棋士というか、大山さん(康晴十五世名人)の棋譜が好きです。受けが強くて崩れないところを見習いたいです」

 得意な教科は算数で、星新一や江戸川乱歩の小説を読むのも好きだ。趣味はプログラミング。いまのパソコンのメモリーやCPU(中央演算処理装置)の能力にやや不満があるようで、紀子さんによれば暇があるとカタログを見比べて目を輝かせているという。パソコン好きといえば、藤井二冠も最新のCPUなどパーツを集めてモンスターマシンを「自作」している。メーカーやデザインではなく、もっぱら性能に興味があるところが2人の共通項だ。

 師匠の森七段はこう話す。

「将来的には藤井二冠と戦える位置付けにはなってほしいし、私自身楽しみでもあります。しかし、期待値の高さはプレッシャーになったり逆に増長する原因にもなりかねないし、すぐに棋士になれるかといえばそんなに甘い世界ではありません」
(編集部・大平誠)

AERA 2021年1月11日号より抜粋


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