子どもの個性や才能に気づいてあげたいと思っていても、日々の忙しい子育ての中ではついネガティブな言葉を発しがち。そこで「AERA with Kids冬号」では、書籍『伝わる!声かけ変換』の著者、大場美鈴さんに子どもへの声かけのコツを教えていただきました。
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「子どもの才能というのはすぐに見つかるものではありません。でもその子ならではの個性や小さな好奇心のタネは、本人のまわりにいっぱい落ちているんです。本人は気づいていなくても毎日のがんばりや、できていることって実はたくさんある。それに親が気づいてあげて、具体的な言葉にして伝えるのがコツです」

 こう語る大場さん。

 以下、その声かけのコツを具体的に紹介します。

1 素直な感想や驚きを伝える

「そんなこと思いついたの!」「へぇ!」「お母さんびっくりした!」
「おもしろいね」

 大人が思いつかない発想や表現のほか、いわゆる「バカなこと」も子どもは大の得意。まずはその発想やユニークさをほめてあげましょう。自分の言葉や考えに対して親が驚くと、子どもは素直にうれしくなり、自信を深めます。そしてそれが次のステップにつながっていくのです。

2 否定せずに話しを聞く・まとめる

「うんうん、そっか~」「そうなの」「それってこういうことなのかな?」

「聞き上手」になることも大切。子どもの話は否定することなくできるだけ最後まで聞いてあげましょう。途中で相づちを打つだけで十分で、それだけで親子の信頼関係の土台 になります。話にまとまりがなくなったときだけ内容を整理してあげれば、表現方法もだんだん上達するはず。

3 小さながんばりを見つける

「ここまでできているね」「できたね」「自分から〇〇するなんてエライね」

 子どもは毎日少しずつ変化し、成長しています。「観察上手」になって、子どもの会話や行動から、できるだけ「いい情報」を読み取りましょう。そしてそれをその都度、具体的な言葉にして伝えること。それはそのまま、「あなたのことをちゃんと見ているよ」というメッセージにもなります。

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篠原麻子
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