その一部の作品群が来日、日本オリジナル企画を加えた展覧会「ミッキーマウス展 THE TRUE ORIGINAL & BEYOND」(1月11日<月・祝>まで。日時指定制)が、六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開かれている。

■未来をテーマに作品

 今回、日本ならではの企画となったのは、展覧会名にも加えられた「& BEYOND」、つまりミッキーマウスの「未来」の部分。コラージュ、書道、ペインティングなど、さまざまなジャンルの日本人若手アーティスト5人が、ミッキーマウスの「これから」をテーマに、作品を制作し、紹介している。

「オファーがあったときは驚きました。覚えていないくらい小さいときの写真に、僕がミッキーマウスのぬいぐるみを持っている写真があるんです。自分が知らない自分を知るのがおもしろくて、僕は昔の写真をよく見るのですが、記憶が形成される前から僕の近くにいたキャラクターとして、ミッキーのことを覚えていたので」

 そう話すのは、今回、光り輝くネオン管を使って未来のミッキーを描いた、ネオンアーティストのWakuさんだ。1996年東京生まれ。青山学院大学の大学生、ネオン工場の職人、そしてネオンアーティストという三つの顔を持つ。

 高校生のとき、繁華街で見たネオンサインに引かれ、大学生になったころネオン工場に週1回、通うようになった。

「目の前でネオン管にガスが入れられ、光が灯(とも)るネオン管を見たとき、自分が引かれていたのは、ネオン管が形作るフォルムというより、ネオン管が発する光そのものだとわかりました」

 以来、職人としてネオンサイン作りを学ぶのと同時に、ネオン管の光を主役にした抽象的なアート作品を作るようになった。大学を休学してネオンサインが再注目されていたニューヨークに渡り、ネオンアーティストに師事したこともある。

「ネオンサインの本来の役割は広告としてお店の顔になること。またミッキーマウスの三つ丸も、世界中の人々がミッキーを即座に想像する世界共通のアイコンです。二つには親和性があることを強く感じています」

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