それから50年近くの年月が経過し、再び具体的な有人月面探査としてアメリカ主導で進められているのが「アルテミス計画」だ。この計画には欧州宇宙機関(ESA)、カナダ、オーストラリア、日本なども参加。新たに開発中のオリオン宇宙船を使って2024年に最初の宇宙飛行士を月に送り込む準備が進められ、その後も継続して月面での有人探査を行うとしている。

 加えて、月を周回する軌道上に宇宙ステーション「ゲートウェー」を建設する計画が、アメリカ、カナダ、ESA、ロシア、日本などにより検討されている。ゲートウェーは地球から月へ向かうときの中継基地や、継続的な月面探査や科学研究の拠点としての利用が考えられている。

 このように、近未来の宇宙飛行士の活動は、月や月の周囲、さらに遠い火星へと拡大していきそうだ。今回の、そして今後の宇宙飛行士の募集は、そんな場で活躍する人を求めている。宇宙を目指すきみの夢は、どこまでもふくらんでいきそうだね!

【宇宙飛行士選抜試験は狭き門】
前回の試験は2008年、国際宇宙ステーション(ISS)搭乗飛行士選抜のために募集され、963人が応募した。書類選考の後、1次、2次、3次と選抜が行われ、医学的な適性のほか、一般教養などの筆記試験や面接試験などを実施。選ばれた候補者は約2年間の基礎訓練を受け、11年に3人が宇宙飛行士として認定された。

(サイエンスライター・上浪春海)

※月刊ジュニアエラ 2021年1月号より

ジュニアエラ 2021年 01 月号 [雑誌]

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