普光院亜紀(ふこういん・あき)/神戸市生まれ。出版社在職中に2人の子を保育ママや保育園に預けて働く。1993年から保護者でつくる「保育園を考える親の会」代表 (c)朝日新聞社
普光院亜紀(ふこういん・あき)/神戸市生まれ。出版社在職中に2人の子を保育ママや保育園に預けて働く。1993年から保護者でつくる「保育園を考える親の会」代表 (c)朝日新聞社

 コロナ禍の「保活」に苦労している人も多いはずだ。感染防止から見学できない園もある中、どんな点に注意すべきなのだろうか。AERA 2020年12月21日号で「保育園を考える親の会」普光院亜紀代表が語る。

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 今年4月入園の時には、感染が怖くて育休を延ばして入園を延期した方が相当数いたと思います。その方々が来年4月には育休切れで復職するため、来年4月入園に向けた保活は激戦化するのか、第3波によって来年4月にも新たに育休を延長する方々がいて結局同じぐらいになるのか、影響はまだ読み難いです。

 多くの自治体ではこれまで、在宅勤務は外勤より入園優先度が低く設定されてきました。しかし、コロナ禍で在宅ワークが広がり、今回の選考から基準を改めた自治体が相次ぎました。これ以外にも今後、各自治体の選考基準が変更になる可能性は大いにあります。来春以降に保活をされる方は、注意して見ていてください。

 コロナ禍で保活に苦労している人は多いでしょう。感染防止のため今も見学を断る園は多いですが、最低限の安全性は入園前に確かめておきたいですよね。そんな時は、園の近くの公園で外遊びを観察してみましょう。保育士が子どもの目を見て話していなかったり、乱暴に腕をつかんだり怒鳴ったりしている園にはリスクがあります。

 またコロナ禍にあって、保育士の大量退職が頻発しているのが気になります。そうした園は、よい環境とは言えません。求人サイトが参考になります。継続的に求人をしていると離職率が高いとわかりますし、園長や主任クラスを募集している園は要注意です。

 なかなか選べる状況ではありませんが、自宅から少し遠い園、小規模園、保育ママなど、最後まで選択肢を広げて探してみてください。

(聞き手/朝日新聞デジタル「エムスタ」編集長・田渕紫織)

AERA 2020年12月21日号