さすがに炊き立ての熱々という方はいないと思いますが、温かいのと冷たいのとではどちらがおいしいでしょうか?

 昔は冷たいのがおいしいという方が多かったようですが、現在では「シャリは人肌」というのが一般的です。

 お寿司を食べた時に感じるおいしさについては個人差はあると思いますが、筆者は、まず口に入れた時にそれぞれのネタの個性のある味と歯触り、舌触り、香りなどを楽しみ、喉に流し終えた直後に、シャリの甘みと酸味、旨みが醸し出す絶妙のハーモニーが、ふわっと口の中に広がるのがおいしいお寿司であると思います。

 そして、それに最適なのが「人肌」の温度なんです。

 くら寿司でももちろん「人肌」のシャリにこだわっています。それぞれのお店で厳密な温度管理をしながら、ちょうど人肌になったシャリを使っていきますので、お店では人肌かそれに近い状態のお寿司を召し上がっていただけます。

 そしてこれから年末年始にかけて、お持ち帰りをご利用いただく機会が増えてきますが、くら寿司では、ご家庭でもできるだけ最もおいしい「人肌」に近い状態でお寿司を楽しんでいただけるよう、直前調理にこだわっています。

 そしてお渡しした後は、一時間以内に召し上がっていただくことを推奨しています。ネタについても、人工保存料を一切使用していないこともありますので。

 避けていただきたいのは、冷蔵庫で保管すること。冷蔵庫の庫内の温度は、JIS規格で0度から10度と決められていますので、冷蔵庫に入れた途端に、一気に「人肌」からかけ離れていってしまい、シャリ本来の旨みを感じることができなくなってしまいます。

 皆で食事をする機会が増える年末年始。できるだけおいしく食事を楽しんでいただくために、温度にもこだわっていただければと思います。

 くら寿司では、店員との接触をなくし、お店の機器にもほとんど触る必要がないお店を増やしていっていますので、お店でのお食事もぜひお楽しみください。

○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2019年11月から、執行役員 広報宣伝IR本部 本部長

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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