食費の支出に占める割合は大きく、日本人の場合は25%程度だという。食費をうまく抑えるのが、減収でも破綻しないコツだ(撮影/青木章(fort))
食費の支出に占める割合は大きく、日本人の場合は25%程度だという。食費をうまく抑えるのが、減収でも破綻しないコツだ(撮影/青木章(fort))

 コロナ禍による収入減で、ローンが払えなくなったり、生活が苦しくなったりするケースが出てきている。家計を守るためにはどうすればいいのか。支出に占める割合の多い食費から考える。

※【住宅ローン払えなくなったらどうする? FPが解説「手放す前に検討すべき」4つの方法】より続く

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 コロナ禍で収入が減っても、家計を破綻させないためには、支出を抑えることが必要だ。

 どう支出を抑えればいいのか。ファイナンシャルプランナーの平野雅章さんは、カギを握るのは食費だという。

「統計的に見て、支出の中で占める割合が圧倒的に多いのが食費です。支出の見直しが必要な場合、食費削減を検討せざるを得ない相談者は多いです」
 
 家計支出に占める食費の割合を示すのが、おなじみ「エンゲル係数」だ。日本人の平均値は25%程度と全体の支出に占める割合が非常に高い。しかもコロナ禍のいま、「巣ごもり消費」で、食費は増える傾向にあるという。

 かさむ食費をどうすればいいか。『和田由貴のシンプル節約術』(あさ出版)などの著書がある消費生活アドバイザーの和田由貴(ゆうき)さんは、食費の節約で最も大切なのは「予算の管理」と話す。

「通信費や光熱費などと違い、食費は日々の積み重ねで決まります。そのためには、1日当たり食費をいくらにするか明確にして買い物をすることが必要です」

 その際、食費は「3対1」に分けることがコツだという。どういうことか?

「例えば、1カ月の食費の予算が4万円としたら、3万円と1万円という具合に分けます。3万円は1日1千円として野菜や肉など日々の食材に使い、1万円でお米や調味料など時々発生する常備品を買うようにします。そうすることで、お金を管理しやすくなります」

 1日あたりの予算に必ずしもとらわれる必要はない。3日分の買い物をするならば、「1千円×3日=3千円」で計算する。こうして、多少どんぶり勘定でも1週間で見て帳尻があえば大丈夫という。

 また、旅先などでの食費は「レジャー費」、飲み会は「交際費」、アルコールやお菓子といった嗜好品は「お小遣い」という具合に分けておくと管理しやすい。

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