――新庄はトライアウト後のインタビューで、「自分に勝てた気がする。この1年は。こんだけ野球の練習したことなかったから」と話した。「6日間でオファーが来なかったら野球は終わり」としつつ、やり遂げた1年だったと振り返っている。
森本:新庄さん自身が、プロ野球に入ることのレベルの高さをよく知っています。生半可な気持ちではダメだ、死ぬほどやらないと体は戻ってこないとわかっていて、相当鞭を打ってやってきたと思う。それは昨日のプレーに表れていました。
プロ野球でまた野球人・新庄剛志を見たい気持ちは強くありますが、何よりも、この1年間新庄さんがまた野球に向き合ったということに意味があると思う。1年間少年のように野球を楽しんだことが伝わってきて、僕はそれが一番うれしかったですね。
(編集部・川口 穣)
※AERAオンライン限定
川口穣
ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。
川口穣の記事一覧はこちら