それでも結婚を認めたのはなぜか。小田部さんはこう考える。
秋篠宮さまは、学習院大学で出会い交際していた紀子さまと結婚した。60年以上にわたり皇室を取材してきたジャーナリストの渡邉みどりさんも、小田部さんと同様の見解だ。
「秋篠宮さまは意志を貫いて紀子さまと結婚された。上皇さまと美智子さまも、天皇陛下と雅子さまも、自由恋愛の末ご結婚されました。ですから、眞子さまの意志をないがしろにするわけにはいかなかったのでしょう」
渡邉さんは、秋篠宮さまと眞子さまの共通点を指摘した。
「秋篠宮さまも眞子さまも、ご自身で相手を見つけられました。そして、自分の意志を貫く強さ、あの『つっぱり』も似ていらっしゃると思いますよ」
そもそも、結婚の自由は憲法で保障されている。秋篠宮さまは冒頭の会見で、結婚を認める理由として、「婚姻は両性の合意のみにもとづく」とした憲法24条を3回も引用した。
関西大学教授で憲法学者の高作正博さんは、政府見解や過去の判例でも、基本的に「天皇、皇族も人権の主体」とされており、それを基準にすべきと話す。
「当然、皇族にも結婚の自由はあると考えられます。秋篠宮さまがご自身の立場と見解を、日本国憲法24条を引用して説明されたことは、好ましいことだと思います」
(編集部・小長光哲郎)
※AERA 2020年12月14日号より抜粋