政府関係者によれば、分科会が当初出した提言案では、向こう3週間で期待されるような感染を抑える効果が得られなかった際に備えて、“政府”が対策の検討を開始することを求める文言が入っていたという。

 ところが、実際の文言はこうなっていた。

「この3週間の対策の効果を新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード及び分科会で評価し、万が一効果が不十分であった場合には更なる対策を行う必要がある」

 厚生労働省や内閣官房との調整のうえで修正があったとみられる。しかし、主語が変わったのはコロナ対応の仕組みの問題かもしれないが、“万が一”とは切迫感に欠ける。

 都内の病院で感染者を診るある医師は「政府は責任を放棄している」と切り捨てる。

 堂々と、こう言える仕事をみせてほしい。

「批判は、当たりません」

(編集部・小田健司)

AERA 2020年12月7日号より抜粋