「あとは『アルコール(エタノール)が60%以上入っている』との表示のある消毒液や、お手拭きやお掃除用ウェットティッシュなどに使われる低水準消毒薬(塩化ベンザルコニウムなど)もウイルスに効きます」

 詳しくは厚生労働省のホームページ「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」に掲載されており、参考になる。

 ウイルスを持ち帰った気がして、リビングの空中に消毒液をシュッシュッ。やってしまう人も多そうだが、それ、NGだ。

「やめたほうがいいです。まず空気中に拡散して吸い込むと人体への悪影響があります。また、空気中を浮遊するウイルスを消毒薬が正確にとらえて死滅させる可能性にかけるのは、まったく非効率です」

■換気に加え湿度管理も

 続いてマスク。タレントや政治家がよく着けている透明のマウスシールドについて菅原さんは「効果はあまりない」と話す。

「口からまっすぐ飛び出す飛沫はカットできても、放射線状に飛び散っていくものは防げません。マスクで鼻と口を隙間なく覆うのが原則。不織布マスクでも布マスクでも大丈夫です」

 マスクと言えば、悩ましいのが「会食中のマスク」だ。会食はできるだけ控えるにしても、ゼロにするのは難しい人も多いはず。政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長が会見で、会食中の感染対策として一口食べてはマスクをし、また外して一口……という方法を披露したが、さすがに非現実的に感じて笑ってしまった人も多いはず。菅原さんも困惑気味だ。

「先に食べるだけ食べて、おしゃべりするときにマスクを着ける。お酒を飲みながら何かつまむときは、黙って食べて、お酒を一杯飲んでマスクして。味気ないですけど、そんな方法しかないのでは……。あとは『誰かと向かい合って食事をすることは、危険な行為だ』ということを、一人ひとりがいま一度心に留めるしかないと思います」

 続いては換気だ。たとえば休日など家族でずっと家の中にいる環境の場合、朝、昼、夕方の3回、窓を開けて換気するのが大まかな目安だという。

 同様に重要なのが加湿器などで湿度を保つことだという。湿度が高く気温も高いとウイルスの膜が脆弱になり、膜が溶けたり壊れたりすると死滅する。のどから異物を排出する繊毛の動きも、湿気があると活発になる。

「ウイルスの過ごしにくい環境は湿度40%から60%。厚労省は60%を推奨しています」

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