■過去の経験が生きる

白岩:子どもの頃から親に勧められて芸能の仕事をしていました。でも、気持ちが乗っていなかった。高校3年生の時に、本気でこの世界で生きていこうと思ってあるアイドルグループに入ったんですが、全然うまくいかなくて。お客さんの数がメンバーの数よりも少ない中でライブをしたこともありました。格好いいところを見せたいのに、誰も見ていない。何のためにやっているんだろうと思ったことも、「自分はこの世界に向いていない」と思ったりしたこともあります。でも、その経験で、アーティストとして大切な心得を学ぶことができましたし、あれが「アーティスト・白岩瑠姫」のスタートだったと思っています。

金城碧海:僕は母子家庭で兄弟も多くて、どちらかというと貧しい環境で育ったんです。その中で“何くそ根性”を学んだ気がします。高校を卒業してからも、母親にたくさん迷惑をかけましたね。プデュには、それまでの人間関係をすべて切って臨んだんです。それまでの自分の人生を否定したわけではなく、ゼロからスタートするという意味で。ダンスも歌も未経験でしたが、絶対に負けないという気持ちでいました。そのスピリットはJO1になった今でも心にあります。

(ライター・酒井美絵子)

AERA 2020年11月30日号より抜粋