――「%」でなくても「割合」を示すことがあるんだ!

「~あたり」「~ごと」「~を1とする」などの説明がある場合は、「%」でなくても「割合」だと考えるといいよ。

■変化の理由を考えよう

 そして、最後に気をつけたいのが、数値が最も大きいところ、最も小さいところや、折れ線グラフなら大きく変化しているところを探すことだ。

――なるほど! 探すだけなら簡単だ!

 それだけじゃ不十分だよ。大切なのは、変化の理由を見つけること。例えば、GDPのグラフなら、成長率が大きく落ち込んだときには、今回のコロナ危機や2008年のリーマン・ショック後など、落ち込む理由がある。そこを読み取り、考えるきっかけにすることが大切なんだ。そもそも、変化をわかりやすく示すことが、グラフなどの資料で示す大きな理由だといえるよ。

――なるほど! これから、ニュースでグラフとかを見つけたら、気をつけて見てみようっと!

 もう一つ、ニュースで出てきたことに関する昔の資料をチェックしておくといいよ。例えば、江戸時代には、今の新型コロナと同じように、麻疹(はしか)という感染症が大流行したときに「はしか絵」という錦絵が描かれたよ。そこからは、当時の暮らしや人々の様子が読み取れる。入試などでも問われやすいところだから、チェックしておこうね。

はやかわ・あきお/文教大学地域連携センター講師。入試問題や時事問題の専門家として、講演や書籍の執筆も多数。「グラフや表などの資料を読み解く力がつくと、ニュースがよくわかる」とアドバイスする

※月刊ジュニアエラ 2020年12月号より

ジュニアエラ 2020年 12 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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