新型コロナウイルスをはじめとするニュースにはグラフや図表がついてくる。それらの資料を読み解くポイントは何だろう。小中学生向けのニュース月刊誌「ジュニアエラ」12月号の特集「2020年重大ニュース」では、ジュニアエラのキャラクターコビンが、中学受験のプロ、早川明夫先生に、ニュースの資料を読み取るポイントを聞いたよ。

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■見落としがちな「タイトル」に注意

――グラフや表、地図などがあると、文章だけよりもわかりやすくなるね。

 表にすると、数字などを比べやすくなるし、折れ線グラフにすれば、時間がたつにつれてものごとがどう変化していくかがよくわかる。どこに何があるかを示すには、地図が便利だよね。

――資料を読み取るとき、どんなことに気をつければいいの?

 まず忘れてはいけないのは、タイトルを見て、何を表した資料なのかを確認することだよ。

 それは当たり前に思えるからこそ、ちゃんと確認しないことが多いんだよ。例えば、新型コロナウイルスの感染の様子を表す資料には、さまざまな種類がある。感染者数を示したものなのか、死者数を示したものなのか。感染者数なら、その日の新規感染者数なのか、それまでの人数をすべて足した累計感染者数なのかで、資料から読み取れる情報は変わってくるからね。

 次に、年や月を見て、それがいつの資料なのか、折れ線グラフなら、いつからいつまでの資料なのかを確認しよう。つい、今のことを示したものだと思ってしまいがちだけど、過去の資料ということもあるからね。

■「実際の数字」か「割合」かに注意

 続いて注意したいのが、それが「実際の数字」なのか、「割合」なのかを確認することだよ。

――「実際の数字」なのか「割合」なのかはどうすれば見分けられるの?

 手がかりになるのは数字の単位だ。「%」だったら「割合」のことが多いよ。でも、あわてないで! 例えば、新型コロナウイルスの累計感染者数を都道府県別に示した資料で、単位は「人」だけど、「人口10万人あたりの人数」を示した「割合」の資料ということもあるんだよ。

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AERA編集部
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