「子宮は体の奥深くに位置する臓器。深部体温は37度前後に保たれていますから、たとえおなかに氷を当てたとしても子宮自体が冷えることはありません。温活はリラックス効果はあるかもしれませんが、根本的な解決策にはならない。温活で妊活したつもりになり、年齢を重ねて時間を無駄にしてしまうのは、すごくもったいないことです」

 妊活中の女性のなかには、夏でも毛糸のパンツをはいたり、カイロや腹巻きをまいたりと、涙ぐましい努力をしている人もいるという。

「寒くもないときに毛糸のパンツやカイロを多用したら、熱中症になる危険もある。季節に合った服装、自分が快適だと思う服装をするのが一番です」(宋医師)

 生理痛も同様に、温めれば根本的に治せるというものではない。子宮筋腫や子宮内膜症などが原因の場合、治療が必要になる場合もある。

「せっかくなら重ね着などの『外からの温活』よりも、筋肉をつける、体を温める漢方薬を飲むといった、『内側からの温活』を心がけてください」(同)

(編集部・小長光哲郎、ライター・谷わこ)

AERA 2020年11月23日号より抜粋

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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