「妻より時間はあるのに『自分は稼ぎ頭だから家事はしない』という夫もいて、一部の夫婦では女性が仕事と家事の二重負担により苦しむということが起きている気がします」(多賀さん)

 コロナ自粛中の共働き世帯の家事・育児時間の変化を調査した、ニッセイ基礎研究所のレポートでは、労働時間がコロナ前の1月頃と比べて「変わらない~増えた」人のうち、高校生以下の子どもがいる女性の30%が、家族の在宅時間が延びたことで「家事時間が増えた」と回答したのに対し、同条件の男性は14%と半数にとどまっていた。村松容子准主任研究員は言う。

「今までの延長線上で家事を割り振りしがちになり、仕事も家事も女性の負担が増えている面もある。時間や場所にとらわれない働き方が広がる中で、各世帯で家事や育児、仕事時間のバランスの在り方を再考することが必要かもしれません」

(編集部・深澤友紀)

AERA 2020年11月23日号より抜粋