映像でオリンピックと国立競技場の歴史などが紹介され、「この場所から、一筋の光を届けられたら」と5人のナレーション。暗転したステージに差し込む光、浮かび上がる純白の衣装。天を舞う光の中で歌われるのは「カイト」だ。メンバーカラー5色の5万個の風船が、サビと同時に空に放たれた。

 ラストは、シングルランキングの上位3曲。3位はデビュー曲の「A・RA・SHI」。モニターに映る当時のMV映像が楽しい。2位は「感謝カンゲキ雨嵐」。噴水が花道にトンネルを作り、その中を歩きながら観客に手を振るメンバー。櫻井の渾身のラップも炸裂した。

 栄えある1位は嵐初の配信シングルとなった「Turning Up」。ジャニーズJr.やダンサーズが合流してにぎやかに踊りまくる。そして二宮の「News baby!」と同時に花火が打ちあがる! 2500発の光の乱舞が国立競技場を包み込んだ。

 メンバー紹介のあと、松本が「俺らの名前は何だ!」とお約束の呼びかけ。観客の返答のかわりにモニターに「ARASHI」と表示された。「ありがとう!」と同時に「またね!」と口々に叫ぶ5人。大野が釣りのしぐさで場を盛り上げたあと、松本の「最高でした!」のひと言で幕となった。

 エンディングのスタッフロールには、リハーサル風景のスチールが映し出され、改めてメンバーの仲の良さを実感する。そう、年内での活動休止を決めたのも、メンバー総意だった。

 休止後もファンクラブは継続していくという。21年の集大成がこのアラフェスだとしても、これで終わりではない。常に挑戦を続けてきた彼らは、きっと前に進み続けるはずだ。

(ライター・早川あゆみ)

AERA 2020年11月23日号