2003年の建築基準法の改正で、原則すべての住宅に24時間換気システムの設置が義務づけられた。札幌市立大学の齊藤雅也教授(建築環境学)によれば、このシステムが正常に稼働していれば必要最低限の換気が確保されているが、03年以前の未設置の住宅や、設置され稼働していても部屋に人が多く集まるようなときは窓開け換気をできるだけ意識し実施した方が良い場面がある。

 冬場に窓開け換気をするために齊藤教授が提案しているのが、「2段階で換気をする方法」だ。例えば人が集まる居間の換気を考えたとき、居間の窓を直接開けると寒くなるのでどうしても開けにくいケースがある。そうした場合、隣室があれば、その部屋の窓を開けて一度、外気を入れる。その後、外気よりやや暖まった隣室の空気を居間に導く方法だ。

「その際、居間から廊下に出る扉を少し開けて、トイレや浴室の換気扇を回しておくと、排気が促され、効果的な換気を行うことができます」(齊藤教授)

 この冬の過ごし方は、今後のこの国の明暗を左右するかもしれない。どう行動するかは、私たち一人一人が判断しなければならない。(編集部・小田健司)

AERA 2020年11月23日号より抜粋