より快適に心地よく暮らすための技術やアイデアを、かたちにしてくれるフェムテック。だが、産婦人科医の宋美玄(ソンミヒョン)さんは、一部の商品には注意が必要だと警鐘を鳴らす。

「“フェムテック”の名のもとに、エビデンスがないサプリなども出回っており、消費者が意識して使う必要があります」

 また、宋さんはフェムテックが海外で広がった背景には、医療費が高額なために医療機関を受診できないなどの事情があるという。

「日本には保険診療がありますから、医療費もそれほど高額になりません。たとえば、月経が重くてつらい人なら、月に3千円程度で低用量ピルを服用し、月経をコントロールするという方法もある。グッズなどを活用して少しでも快適に過ごすことも大切ですが、本当に体を改善するためには、医療機関に頼ることも必要です」

(ライター・井上有紀子)

AERA 2020年11月16日号より抜粋