不安によるトラブルを防ぐには脳をだませ 手足同時の“ヘンテコスキップ”が最強の理由 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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不安によるトラブルを防ぐには脳をだませ 手足同時の“ヘンテコスキップ”が最強の理由

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深澤友紀AERA
AERA 2020年11月16日号より

AERA 2020年11月16日号より

AERA 2020年11月16日号より

AERA 2020年11月16日号より

 不安やストレスは、判断力や思考力を低下させ、自制心すら利かなくなる──。 そんなミスやトラブルを避けるために、知っておくと役立つ脳と心のノウハウがある。AERA 2020年11月16日号から。

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 埼玉県に住む会社員の女性(42)は、今年の春頃から、仕事で単純ミスが増えた。「14時から」のオンライン打ち合わせを「午後4時から」と見間違えたり、電話する約束を忘れていたり。仕事相手の名前がすぐに出てこないことも。以前と比べ、考えがうまくまとまらず、資料作成にも時間がかかる。いつか取り返しのつかないミスをするのでは、と心配になる。

 新型コロナウイルスの感染拡大以降、さまざまな不安が頭の中に居座るようになった。社内で最初の感染者になったらどうしよう、課内に感染者が出たら業務は回るかな、誰かに感染させていないだろうか……。プライベートでも70代の両親が気がかりだ。同じ市内に住むのに3月以降1度しか会えていない。高齢で持病もある両親は、都内に通勤する自分や保育園児の孫に会うのが怖いという。感染者数が落ち着いた7月、一度自宅に来てくれたが、不織布マスクを二重に着けたまま、30分で帰っていった。やつれた二人の姿が頭から離れない。

 不安を抱くと、緊張したり、落ち着かなくなったりすることは一般的に知られている。どうしてミスが増えるのか。脳とストレスを研究する東邦大学理学部の増尾好則教授はこう話す。

「ストレスがあると、脳内にノルアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質が放出されます。自律神経系は交感神経が優位になり、心拍数や血圧を上昇させ、戦いや逃走に備える。これは狩猟時代から続く原始的な反応です。一方で、最も新しく、高度な精神活動を司る大脳皮質前頭前野の働きが相対的に弱まり、判断力や思考力が低下していきます」

 慢性的なストレスにさらされると、恐怖などの感情を司る「扁桃体(へんとうたい)」の活動が活発になって抑うつ症状があらわれてくる。また、記憶を司る「海馬(かいば)」の神経細胞が減り、萎縮(いしゅく)していくため、認知機能が低下していく。

「ただ、海馬などは可逆性に富んでいるので、ストレスを軽減することで神経が再生され元の状態に戻ります」(増尾さん)


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