「卒業生は、高校で島留学をしたり、海外留学をしたりする人もいます。山村留学で身についた自分の力でなんとかするという経験は、どこにいっても通用すると思います。村を出た後も自分がやりたいことに挑戦する子が多いですね」

「AERA with Kids秋号」特別編集長を務める、花まる学習会代表の高濱正伸先生も山村留学について次のようにいいます。

「思春期の入り口に立つ中高学年以降は、外での大人との関わりの中で、自力で考え抜くことが大切な時期です。その具体策ともいえるのが、山村留学です。親元を離れて、生活全般に責任を持つ日々は、心を強くしてくれるでしょう」

 以下に、北相木村での山村留学生活の特徴をまとめました。

◎農作業や労働を日常の中で行い、生きるための営みを学ぶ
年間を通じて米や野菜を作り、自然の営みや食への理解を深める。また、宿泊先の農家の手伝いや、地域や宿泊施設の清掃などを積極的に行う。自分の体を使って働くことで、生きるために必要な生活力を身につけていく。

◎休日もキャンプや川遊びで山村生活を満喫!
休日は屋外でキャンプワークや川遊びをする。自然の中で体を思いっきり動かす体験は、自然への理解を深め、生活や遊びの工夫を生み出し、子どもたちの想像力や探究心を育む。

◎木登り大好き! 自然の中で遊びを見つける
村に来た当初はボール遊び中心の子どもたちも、次第に木登りや秘密基地を作るなど自然を素材にダイナミックに遊ぶようになる。最近は野鳥の羽根を拾って集めるのがブーム。

◎地元小学校へ通い、センターで寮生活。月10日間は農家泊を体験
施設から1.8キロメートル離れた地元の小学校に通う。希望者は月10日ほど地元の農家で暮らし、家の手伝いをしたり、地域の行事に参加したりして、村の子どもとして生活する。

(取材・文=石渡真由美)

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2020年 秋号 [雑誌]

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石渡真由美
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