イラスト:土井ラブ平
イラスト:土井ラブ平
AERA 2020年11月9日号より
AERA 2020年11月9日号より

 リモートの弱点の一つが「つい太っちゃう」こと。でもそれ、改善可能です。「朝型の生活」さえ実現できれば、太らないどころかやせちゃいます。AERA 2020年11月9日号朝型、夜型の生活スタイルと体重の因果関係を取り上げた。

【グラフで見る】就寝時刻が遅くなると体重はどのくらい増えた?

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 生活リズムが自分次第になりがちなリモートワークで、「朝型」になった人はやせ、「夜型」になった人は太る──。早稲田大学の研究者らが8月、日本時間栄養学会学術大会で発表したそんな研究結果が注目を集めている。コロナ禍のタイミングを捉えた研究が、生活リズムと体重変化の科学的な相関関係を明らかにしつつある。

■5カ月で15キロ減った

「気づいたら朝型になっていたという感じです」

 こう話すのは、この5カ月間で83キロから68キロへ、マイナス15キロのダイエットに成功した愛知県内の男性会社員(32)だ。

 男性がダイエットを決意したのは5月。コロナ禍の外出自粛やテレワークの導入で「コロナ太り」に悩む人が多い中、「逆にやせたら面白がってもらえるかも」と考えた。

 男性が心掛けたのは生活リズムの自己管理だ。

 減量前は帰宅後、テレビを観たりスマホをいじったりして平日は午前1時ごろまで起きていた。週末は友人や同僚との飲み会などもあり、明け方近くまで起きていた結果、寝坊して朝食を抜いたり二度寝したりということも多かった。

 5月以降は、日付が変わる前に必ず寝るようにし、週3回の筋トレとダンス動画のエクササイズを始めた。食事はアプリを使ってカロリーバランスに留意。すると、朝すっきり目覚められるようになった。

 この生活を続けられたのは、コロナ禍のおかげだった、と男性は振り返る。外に飲みに行く機会が減ったため生活リズムを自己管理しやすくなった面が大きい、と感じているのだ。

「心掛け次第」と言えばそれまでだが、やはりコロナが生活リズムに及ぼす影響は無視できない。外出自粛、テレワーク、オンライン授業などコロナ禍の新常態で生活スタイルに大きな変化を強いられている人は多いはずだ。前出の研究は、この特異な状況を利用して生活習慣と肥満の関係解明を試みるために行われた。

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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