喜劇的? 米国が突然の「台湾独立支持」も…台湾は否定 “機能不全”際立つトランプ政権 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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喜劇的? 米国が突然の「台湾独立支持」も…台湾は否定 “機能不全”際立つトランプ政権

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田岡俊次AERA
昨年9月に国連大使に就いたクラフト氏は炭鉱業を営む夫とともに2016年大統領選でトランプ氏に多額の献金をし、17年10月からカナダ大使だった (c)朝日新聞社

昨年9月に国連大使に就いたクラフト氏は炭鉱業を営む夫とともに2016年大統領選でトランプ氏に多額の献金をし、17年10月からカナダ大使だった (c)朝日新聞社

 米国連大使が突然、台湾の独立を支持するという発言をし、中国が強く反発した。だが当の台湾は蔡英文総統が独立を否定。トランプ政権の機能不全が際立つ。AERA 2020年10月26日号の記事を紹介する。

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 米国のケリー・クラフト国連大使は今年9月29日、米国、日本、台湾が共催した人材育成協力のオンライン会合で「世界は台湾が国連システムに完全に加盟することを必要としている」として台湾の国連加盟支持を表明した。国連に加盟できるのは原則として独立した主権国家だから、クラフト大使の発言は米国が台湾独立を支持することを意味する。これに対し中国国連代表部は「中国の主権と領土保全を傷付ける」と非難した。

■密接な経済関係を優先

 台湾の蔡英文総統は独立志向の民主進歩党に属し「台湾の主権を守る」と唱えていたから、クラフト大使の発言は大歓迎──と思いきや、10月10日の「双十節」(1911年に武漢で清朝に対し革命軍が決起した記念日)の演説で「我々はむやみに進まない。原則は固く守る」と語ってクラフト大使の発言を無視。「北京側が対立解消を目指し、対等な対話をする気なら我々も有意義な対話に協力したい」と述べた。

 これは中国と台湾の離別でもなければ結婚でもない“内縁関係”のように曖昧な現状を維持し、和解を図る方針を宣言したものと思われる。クラフト大使とその背後にいるトランプ大統領は空振りを演じる形となった。

 台湾の利害を考えれば蔡総統の姿勢は現実的だ。2018年の台湾の輸出の28.8%は中国向けで、若干減ったとはいえ、なお最大の貿易相手だ。台湾の中国に対する投資は対外投資の57.3%を占め、約100万人の台湾人が中国で、主に台湾系企業で勤務している。18年に台湾から中国に渡った人は614万人、中国から台湾へは266万人で、経済関係は極めて密接だ。米国人の反中感情に乗って独立に向かい、経済関係が断絶すれば致命的損失を招くことを台湾人は危惧している。

■トランプ政権の人材難

 昨年10月に台湾当局の大陸委員会が発表した世論調査では「早期に独立」を望む人は6.0%、「早期に統一」は1.4%で「現状維持」が87.4%。現状維持を望む人にその後はどうするべきかを問うと「統一」が8.9%、「独立」が21.7%、「状況を見て決める」が31.0%、「永遠に現状維持」が25.8%だった。

 


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