密かに増える殺人アリ・ヒアリの「女王」が大量発生の衝撃 定着阻止へギリギリの攻防続く (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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密かに増える殺人アリ・ヒアリの「女王」が大量発生の衝撃 定着阻止へギリギリの攻防続く

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川口穣AERA
ヒアリの働きアリは体長2.5~6ミリ程度。ツヤツヤした赤茶色の体が特徴で、尻に毒針を持つ。今のところ港湾エリアでしか見つかっていないが、羽のある女王アリは通常1~2キロ程度を飛行して他の場所で繁殖する(写真:環境省提供)

ヒアリの働きアリは体長2.5~6ミリ程度。ツヤツヤした赤茶色の体が特徴で、尻に毒針を持つ。今のところ港湾エリアでしか見つかっていないが、羽のある女王アリは通常1~2キロ程度を飛行して他の場所で繁殖する(写真:環境省提供)

 強い毒性と繁殖力を持つ外来生物「ヒアリ」の発見が各地の港湾で相次いでいる。羽のある女王アリも多数見つかり、国内への定着が強く懸念される。AERA 2020年10月19日号に掲載された記事で、攻防戦の現状に迫る。

【写真】致死率25%…怖すぎる“殺人ダニ”はこちら…

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 9月17日、名古屋港で700匹。25日、同港で千匹。29日、横浜港本牧埠頭で数百匹。10月1日、東京港青海埠頭で500匹──。

 今年も、日本各地で強毒性の外来アリ「ヒアリ」の発見が相次いでいる。2017年に初めて見つかって以降、1日までに16都道府県で60事例が確認された。初確認時は「殺人アリの襲来」と大騒ぎになったが、ここ最近はニュースの扱いも小さい。しかし、実はいま、ヒアリの定着を防げるかギリギリの攻防が続いている。

 ヒアリは南米原産で、米国や中国、台湾、オーストラリアなどに定着している。刺されると、その名の通りやけどのような痛みが起こることが特徴だ。昆虫学者で国立環境研究所の五箇公一さんは、海外でヒアリに刺された経験をこう語る。

「数えきれないほどの大群が一斉に腕にまとわりついてきて、振り払う間もなく一気に刺された。火の粉をかぶったような、焼けるような激しい痛みでした」

■インフラも壊す厄介者

 さらに、体質によっては強いアレルギー反応「アナフィラキシーショック」を起こすことがあり、米国などでは死亡例も報告されているという。

「人を刺す以外にも、農作物を食い荒らし、家畜に被害を与え、配電盤や電気ケーブルに巣をつくってインフラを破壊することさえある。爆発的に増加するので生態系にも壊滅的な打撃を与えます。外来昆虫のなかではナンバーワンの危険度です」(五箇さん)

 ヒアリはコンテナに紛れて運ばれてくる。今のところ国内で見つかるのは港湾エリア内だけで、数世代にわたって繁殖した痕跡もないことから「定着にはいたっていない」とみられている。一方で昨秋以降、関係者は「明らかにフェーズが変わった」として、警戒を強める。

 象徴的なのが、去年9~10月の東京港青海埠頭と、今年9月の名古屋港での事例だ。環境省の担当者はこう説明する。


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