野尻広明(のじり・ひろあき)/三菱UFJ国際投信 デジタル・マーケティング部 シニアマネジャー(撮影/加藤夏子)
野尻広明(のじり・ひろあき)/三菱UFJ国際投信 デジタル・マーケティング部 シニアマネジャー(撮影/加藤夏子)
※データは2020年6月末現在、信託報酬は9月4日現在。インデックスファンドの中から「バランス型」に分類されるものを抽出し、純資産総額の大きい順にランキング。標準型や積極型など、同じバランス型の中でリスクが設定されているシリーズに関しては、一番平均的なリスクを取るものを掲載。バランス型ではあっても「株式重視型」など1つの資産の比率を高めているもの、ポートフォリオを最適化するタイプ、ターゲットイヤータイプは除外した。信託報酬は年率、税込み。信託報酬が2段になっている場合は上段が名目、下段は信託報酬を含む実質的な運用コストの合計
※データは2020年6月末現在、信託報酬は9月4日現在。インデックスファンドの中から「バランス型」に分類されるものを抽出し、純資産総額の大きい順にランキング。標準型や積極型など、同じバランス型の中でリスクが設定されているシリーズに関しては、一番平均的なリスクを取るものを掲載。バランス型ではあっても「株式重視型」など1つの資産の比率を高めているもの、ポートフォリオを最適化するタイプ、ターゲットイヤータイプは除外した。信託報酬は年率、税込み。信託報酬が2段になっている場合は上段が名目、下段は信託報酬を含む実質的な運用コストの合計

 初めて投資信託を購入する人がよく選ぶのが、バランス型ファンド。金融機関の窓口でも、「迷ってしまわれるようでしたらバランス型も人気です」というセールストークが定番化している。バランス型ファンドの種類も多いのだが、どれが売れているのだろうか?

【図表】バランス型ファンドの人気ナンバーワンは?



 投資信託には、「株に投資するもの」「債券に投資するもの」「株の中でも、米国株に投資するもの」「債券の中でも、日本の国債にするもの」など、さまざまな種類がある。その数なんと、約6000本。初心者が選ぶのは、なかなか難しい。

 そもそも長期のつみたて投資をするときは、

(1)インデックスファンドを選ぶ

(2)「eMAXIS Slim」や「<購入・換金手数料なし>」など、コストの安い「シリーズもの」から選ぶ

(3)中身はシンプルなものにする

という3つの視点で探すといい。ただ、(1)(2)(3)の条件に合うファンドというのは機械的に検索しにくい。

 そこで、アエラ増刊「AERA Money今さら聞けない投資信託の基本」では、金融機関の協力を得て(1)~(3)を満たす投資信託を調査した。

 さらに「純資産総額」を基準にして投資対象別にランキング。純資産総額が大きいファンドは、そのファンドを買っている投資家が多い人気ファンドだ。資産規模が大きいほど取引コストも下がり、指数に連動させやすい傾向にある。

 バランス型ファンドは、株式、債券、不動産投信などの資産が均等に入った投資信託だ。株の中でも「日本を除く先進国の株、日本の株、新興国の株」が均等に入っている。とにかく「バランスよく」組み込まれているので、投資対象に迷わずリスクも分散される。

 さて、バランス型ファンドのランキング、堂々の1位は「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)だった。2位の「eMAXIS バランス(8資産均等型)」は1位と中身は同じで、信託報酬と呼ばれる運用コストが違う。

 1位の「Slim」はネット証券での販売が中心で、信託報酬は年0.154%。2位のものは0.55%で、郵便局や大手銀行などで販売されている。

 eMAXISシリーズ(1位と2位)だけで800億円以上の純資産額、ダントツのトップといえるだろう。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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バランス型ファンドランキング、3位以降は?