広木 隆(ひろき・たかし)/マネックス証券 執行役員 チーフ・ストラテジスト。上智大学外国語学部卒業後、国内銀行系投資顧問、外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任し、2010年より現職。(写真提供/マネックス証券)
広木 隆(ひろき・たかし)/マネックス証券 執行役員 チーフ・ストラテジスト。上智大学外国語学部卒業後、国内銀行系投資顧問、外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任し、2010年より現職。(写真提供/マネックス証券)
※データは2020年6月末現在、信託報酬は9月4日現在。インデックスファンドの中から先進国の株式に関する指数(MSCIコクサイ・インデックス、FTSEカイガイ・インデックス、FTSEグローバル スモール・キャップ・インデックス、FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスなど)に投資するものを抽出し、純資産総額の大きい順にランキング。同タイプのファンドで「為替ヘッジあり」は除外した。信託報酬は年率、税込み。信託報酬が2段になっている場合は上段が名目、下段は信託報酬を含む実質的な運用コストの合計
※データは2020年6月末現在、信託報酬は9月4日現在。インデックスファンドの中から先進国の株式に関する指数(MSCIコクサイ・インデックス、FTSEカイガイ・インデックス、FTSEグローバル スモール・キャップ・インデックス、FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスなど)に投資するものを抽出し、純資産総額の大きい順にランキング。同タイプのファンドで「為替ヘッジあり」は除外した。信託報酬は年率、税込み。信託報酬が2段になっている場合は上段が名目、下段は信託報酬を含む実質的な運用コストの合計


経済が新型コロナウイルスで大打撃を被っているのに、アメリカをはじめとする先進国の株式は崩れない。初心者がはじめての資産運用として買うことの多い投資信託でも、ダントツ人気は先進国の株式に投資する「先進国株式ファンド」だ。



アエラ増刊「AERA Money今さら聞けない投資信託の基本」では、アメリカ、イギリス、ドイツなどの先進国に投資するファンドの純資産総額(投資家から集まった金額の合計)を徹底調査し、多い順にランキングした。

純資産総額が大きいファンド=人気があるファンドと考えて差し支えない。見事1位に輝いたのは、ニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」だ。

2位は三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」。いずれも純資産総額は4ケタ億円の大台に乗せている。

関心するのは、見事に信託報酬が0.1023%と激安な投信がトップ2になっていること。個人も、いざ買うとなったらコストをきっちり調べて安いものを選んでいるのである。

それにしても、先進国の株価は本当に今後も有望なのだろうか。株価が実体経済からカイ離していることに対する違和感を唱える人も多く、「バブルではないか」という発言も絶えない。

この疑問に対し、マネックス証券執行役員 チーフ・ストラテジストの広木隆さんは即答した。

「そもそもマーケットは常に実体経済より一歩先の反応をするのが大前提です。金融業界では『織り込む』という言葉を使います。この先の回復をマーケットが見込んでいれば株価は高値を保ち続けるし、不安要素が出ればとたんに暴落する。どんな識者より正確に将来を見通すのが『ミスター・マーケット』です。その意味で私は先進国株式全般に強気の判断をしています」

なお先進国株式ファンドというネーミングでも、中身の70%近くは米国株。続いてイギリス、フランス、スイスなどの株が3~4%の割合で組み入れられている。

(構成/大場宏明、新藤良太、編集部・中島晶子、伊藤忍)

※アエラ増刊『AERA Money 今さら聞けない投資信託の基本』の記事に加筆・再構成

【図表】先進国株式ファンドの中で一番人気は?

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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