それぞれの楽曲の振り付けはほぼ本編そのままに、キレのあるダンスや艶やかな群舞を堪能。休憩なしの2時間で、本編の見どころをまんべんなく味わい、さらに新たな台詞やシーンも楽しめるという充足感たっぷりのステージに仕上がっていた。この公演を続けるために、光一は「とにかく袖にハケたら、手も、脱いだ衣装もすぐに消毒」「楽屋に行くエレベーターは4人までしか乗れないので、やっと着いた時には休憩が終わる」「外食禁止なので夜ご飯は毎日お弁当」と、裏での努力を笑いを交えて語っていた。SHOCKの根幹にあるテーマは“ショー・マスト・ゴー・オン”。今、光一はこの言葉を新たに解釈し、公演に臨んでいる。

「今大事なのは、どんなに小さいことでも何かがあった場合には、すぐに幕を閉めること。そうしなければ、また幕を開けることが出来なくなってしまうと思う。そういう意味でのショー・マスト・ゴー・オンだと、僕は今、認識しています」(光一)

 一回、一回に座長の覚悟を込め、“永遠なるSHOCK”は千秋楽を目指す。また新たな年のSHOCKへとつなぐために。

(ライター・上野紀子)

AERA 2020年10月12日号