たしかに二つのサービスは毎日食べても飽きない家庭的メニューが多い。味付けに深みがあり、冷凍も、ダイエットも感じさせない普通においしいお弁当だ。うっかりご飯が進んでしまうのが、難点といえば難点か。

「積み上げてきた技術を生かし、成分に配慮しながら、メニューや味付けなどでおいしさを感じられるように工夫しています」(ニチレイフーズ・ブランド推進部)

「医療福祉に特化した会社で、約9千人の栄養士や管理栄養士が在籍。ダイエットというより栄養バランスを大切にした糖質コントロールが可能です」(日清医療食品・食宅便事業推進部)

 さすがです。

 最後は、8月から冷凍宅配弁当をスタートしたばかり、三つ星シェフの江崎新太郎さんが手がけるおいしいプラスだ。例えば「大山鶏の完熟トマトソース弁当」は、ゴロゴロした鶏肉7~8個と多彩な副菜が味わえる、コース料理を弁当に詰めたような豪華さ。なのに、糖質を40g以下に抑えたナイスな冷凍弁当となっている。

 ポイントは、お米の形をしたコンニャク米を30~40%混ぜ込んだご飯。

「糖質制限でネックとなるのがご飯です。これをクリアしようと7年前にコンニャク店と提携して、粒の大きさなどを工夫。混ぜてもほとんどわからないくらいブラッシュアップしました」(江崎シェフ)

 シェフの言葉に偽りなし。うちの夫なんて、最後まで普通のご飯と思い込んで「うまい」と食べたくらいコンニャクの存在感が薄い。結構なお値段なせいか、モデルさんのロケ弁や、ギフト需要も多いという。

 こうして30食を胃袋に。体重計に乗ってみた。10日で約80g減。完全に誤差の範囲だが、実は間食なんかも少々。結果としては微妙だが、今まで自分で作ってきたダイエット食、いや、通常の食事と比べても、この手軽さでこのおいしさはまるで天国。

 ゆるめの食事制限系のダイエットはもちろん、食事作りが面倒だけど体にいいものを食べたい、そんなときにぜひ!

(ライター・福光恵)

AERA 2020年9月28日号より抜粋