■副業人材いらっしゃい

 ヤフーは今回、「副業人材」の活用も打ち出した。他社に勤めていたり、自ら起業していたり、フリーで働いていたりとほかに本業を持つ人の力を生かす狙いだ。一般的なパートやアルバイトとは異なり、戦略アドバイザーとして最大10人、事業プランアドバイザーとして最大100人などと業務委託契約を結ぶ計画で、月に最大5時間、5万円の委託料を想定している。

 この枠に7月以降、4千人超が殺到。10代前半の中学生から80代まで、国内だけでなく、アジア、オーストラリア、欧米、南米と全世界からの応募があるという。湯川さんはこう話す。

「日本企業がグローバルで勝つためには働き方の概念も変えていかないといけないと痛感しています。会社さえもうかればいいというのではなく、社員の幸せや社会への貢献もセットで取り組んでいかないと持続性がありません。そのためにまず、われわれが先陣をきる。いいものはどんどん他の企業にも取り入れてもらいたいですね」

(編集部・渡辺豪)

AERA 2020年9月14日号より抜粋

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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