「子どもたちはコロナそのものへの恐怖だけでなく、感染して非難されることも恐れながら暮らしています。正しい予防策をしていても誰でもかかる可能性があること、かかった本人が悪いわけでは決してないことを、わかりやすく繰り返し教えていくことが大切です」(半谷さん)

 第2回調査の「こどもの意見は反映されているか」という質問には、中高生の42%、小学高学年の25%、小学低学年の15%が「そう思わない」と回答。自由記述にも、「大人はお酒を飲みに行けるのに、子どもが集まって遊ぶのはダメなのはなんで?」(小学低学年男児)、「子どもも学校のコロナ対策に参加したい」(中学男児)といった大人への不満も目立った。新たな生活様式や授業数増加の負担に加え、大人がルールを勝手に決め、それに従うしかないこともストレスになっている。前出の田中さんは言う。

「大人の価値観を押し付けることは、子どもの自尊感情を奪います。学校や家庭で、子どもの気持ちや考えを尊重するようなかかわりが求められます」

(編集部・深澤友紀)

AERA 2020年9月14日号より抜粋