まずはすだち酒。すだちの旬は8~9月。日光をしっかり浴びた鮮やかな濃い緑色のものはビタミン類が豊富で、香りもよく果実酒向き。ベース酒は日本酒がおすすめだ。

「抗酸化作用、美肌などに効果があります。酸味と皮の苦みに日本酒の甘みが加わって飲みやすいです。えぐみが出ますので、漬け込み開始から2週間後に取り出してください」

 いますぐ飲みたい!という人には、早くて簡単な冷凍ミックスベリー酒を。ベリー類は冷凍することで組織が壊れやすくなり、エキスが早く浸出する。

「眼精疲労緩和などに効果的。漬け込んだ2~3時間後から飲めます。取り出したベリーは、小松菜や氷、水と一緒にミキサーにかければカクテルスムージーになりますよ」

 変わり種ではハイビスカス酒がおすすめ。古代エジプトの女王クレオパトラもお茶として愛飲したと言われるこの花には、美容に欠かせないビタミンCがたっぷり含まれている。甘い香りとほのかな酸味が就寝前のリラックスタイムにぴったりだ。

「南国の雰囲気が楽しめる一杯です。ビールに少し注ぐと鮮やかな赤に変色して面白い。お酒が弱い方はノンアルコールビールにするといいでしょう」

 続いてはドライマンゴー酒。ウイスキーに漬け込めば3日後にはおいしく飲める。漬けていた果肉をグラスに添えると見た目も華やかに。

「以前、ドライマンゴーを大量にもらうことがあって、ウイスキーのボトルの中に無意識に入れたことからこのレシピが生まれました(笑)。私の友人は『10日後くらいがベスト』と言いますが、当日に飲んでもOKです」

 飲みやすさナンバーワンは梨酒だ。秋の果物の代表格である梨はカリウムを多く含み、利尿作用がある。皮や種、軸からも栄養素やうまみエキスが出る。できれば香りも甘みも強い洋梨を使用したい。

「芳醇でフルーティーな甘みがあります。梨に限らず、食材の風味がよく味わえる飲み方はロックですが、ソーダ割りなどでもどうぞ」

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