AERA 2020年9月14日号より(撮影/写真部・高野楓菜)
AERA 2020年9月14日号より(撮影/写真部・高野楓菜)
福光佳奈子(ふくみつ・かなこ)/薬用酒レシピ開発者。野菜ソムリエプロ。2005年から梅酒作りを始め、15年間で300種類以上のレシピを開発する(撮影/写真部・高野楓菜)
福光佳奈子(ふくみつ・かなこ)/薬用酒レシピ開発者。野菜ソムリエプロ。2005年から梅酒作りを始め、15年間で300種類以上のレシピを開発する(撮影/写真部・高野楓菜)

 いつもの缶ビールもおいしいけれど、旬の食材の味わいは格別。300種類ものオリジナルレシピを考案した野菜ソムリエが、この時期ぴったりの体にやさしい自家製酒を教えてくれた。AERA 2020年9月14日号の記事を紹介する。

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 9月に入っても猛暑が続き、「仕事帰りに一杯!」といきたいところだが、新型コロナの感染リスクを避けて自宅で飲むことにしている人も多いだろう。そんな“宅飲み派”の間でいま、自家製酒作りが広がっている。大手酒造メーカーの宝酒造では、自家製酒のベース酒として用いられるホワイトリカーのミニサイズ(220ml)の売り上げが例年に比べ好調だという。

「巣ごもり生活の中で、気軽にお酒作りにチャレンジできる少量タイプの商品に人気が集まっています」(同社広報課)

 自家製酒の最大の魅力は、旬の果物など、さまざまな食材が楽しめること。オリジナルの自家製酒レシピ集『体にうれしい果実酒・野菜酒・薬用酒200』著者で野菜ソムリエプロの福光佳奈子さんは言う。

「手作りのお酒というと、梅酒を漬ける大きな瓶をイメージするかもしれませんが、小さめの保存容器でいろいろな種類のお酒を作るほうがお手軽です。漬けた後も保管場所に困らないですし、材料代も安くすみます」

 もともと大のお酒好きという福光さん。会社員時代の2005年から趣味で果実酒を作り始めた。数年前、激務により慢性不眠になったことがきっかけで、食材の持つ効能をお酒としてとり入れる生活を始めたところ体調が回復。そこから興味がさらに加速し、あれもこれもと試すうちに300種類以上ものレシピができたという。

「たとえば『桃には冷え症やむくみを緩和する効果があります』と言うと、『桃って栄養あるの? おいしいだけでしょ?』とおっしゃる方が多いんです。果実や野菜の効能を知り、お酒を作っておけば、不調なときに必要な栄養を上手にとり入れることができます」

 今回は福光さんに、残暑厳しいこの時期におすすめの自家製酒を教えてもらった。いずれもおいしくて疲労回復に効果的だ。

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