米国の総投票数4分の1「郵便投票」が危機…大統領選「投票所に行くしかない」声も (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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米国の総投票数4分の1「郵便投票」が危機…大統領選「投票所に行くしかない」声も

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津山恵子AERA
「郵政公社を救え」と訴える集会で、トランプ大統領と郵政公社のデジョイ長官の似顔絵を描いた看板を持つ女性/8月25日、ニューヨーク市内で(写真:Alexi Rosenfeld/gettyimages)

「郵政公社を救え」と訴える集会で、トランプ大統領と郵政公社のデジョイ長官の似顔絵を描いた看板を持つ女性/8月25日、ニューヨーク市内で(写真:Alexi Rosenfeld/gettyimages)

米国では郵便や郵便ポストは市民生活に欠かせない/8月27日、ニューヨーク市内で(撮影/津山恵子)

米国では郵便や郵便ポストは市民生活に欠かせない/8月27日、ニューヨーク市内で(撮影/津山恵子)

 郵便による投票という慣習が、米大統領選挙という政治に利用され、危うくなっている。 11月3日の投開票日に果たして、すべての票がカウントされるのか。AERA 2020年9月7日号から。

【写真】米国では郵便や郵便ポストは市民生活に欠かせない

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 歩道にある青い郵便ポストの脚が切り取られ、ポストがトラックの荷台に積まれていく。そんなビデオや写真が、8月中旬、ツイッターで拡散された。

 引っ越した際、自宅に一番近い郵便ポストや郵便局を確かめる──。米国人なら誰もがする行為だ。

 日本と異なり、米国人は、どんなに年をとっても誕生日にカードやギフトを贈る。クリスマス時期もカードやギフトが郵便サービスに殺到する。移民が多いため、送金もある。筆者は、家賃の小切手を毎月郵送している。それだけ必要とされている郵便ポストがなくなるショックは大きい。

 さらに郵便サービスの人気の理由は、海外に派遣されている米兵士とのコミュニケーションを支えてきたことだ。

 この郵政公社(USPS)のサービスが、突然、11月3日が投開票日の米大統領選挙の焦点となった。

 USPSは7月の通知で、「郵便投票」が開票日に間に合うように届くことを保証できないと警告した。経費削減による郵便ポストの撤去、仕分けセンターの閉鎖などが理由だ。

 トランプ大統領も8月12日、恒常的な赤字に苦しむUSPSへの250億ドルの特別な歳出を認めないと発表。同氏が過去何カ月も、郵便投票は、不正がまかり通ると主張してきたことに沿った発表だ。しかも、郵便投票が増える見通しの大統領選挙の結果を受け入れるかどうかの明言も避けている。

 英BBCによると、投票用紙を申請し、送られてきた用紙に記入した上で郵送する郵便投票は過去、総投票数の4分の1を占めるという。投票所から離れたところに住むブルーカラーの有権者が伝統的に利用してきた投票の方法だ。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、今年は「密」を避けたい民主党支持者が、郵便投票に殺到するという見方が広がった。「マスク着用の行政命令は個人が(マスクをするかしないか)選ぶ権利を奪う」として、マスク着用を頑として拒否するトランプ・共和党支持者に交じって投票所に並ぶリスクを嫌う民主党支持者は多い。


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