オニイトマキエイ(出典:WEB魚図鑑)
オニイトマキエイ(出典:WEB魚図鑑)
オニカマス(出典:WEB魚図鑑)
オニカマス(出典:WEB魚図鑑)
オニアジ(出典:WEB魚図鑑)
オニアジ(出典:WEB魚図鑑)
漢字では魚へんに鬼と書くイトウ(出典:WEB魚図鑑)
漢字では魚へんに鬼と書くイトウ(出典:WEB魚図鑑)

 寿司にアジフライ、南蛮漬けとどう料理してもおいしいアジは、釣りを楽しむ人にとっても身近な魚です。これからのシーズン、堤防からのサビキ釣りで、誰でも簡単に10~20センチのものを食べ切れないほど釣ることができます。

【写真】鬼滅ブームに便乗?! おさかな界の”鬼”はこちら!

 筆者も子どもたちが幼い頃、近くの堤防でクーラーボックスいっぱいのアジを釣って帰り、眠い目をこすりながら夜中までかかって三枚におろしたり、開きにしたりしたのを思い出します。釣っている時は楽しいのですが、釣りすぎると後の処理に時間がかかり過ぎてしまい、もっと早めに切り上げておけばよかった……と後悔することもしばしばでした。

 先日は、友人から「『鬼アジ』爆釣や~♪」というメッセージとともに、クーラーボックスいっぱいに、40センチから50センチはありそうなアジが詰まった写真が送られてきました。

 一般的に鬼アジとは、堤防から釣れる食べ頃サイズのアジではなく、沖合を回遊する30センチ~50センチの大型のマアジのことを指す場合が多いようです。

 堤防から釣れるアジは湾内に居つきのマアジが多く、体や背ビレなどが黄色く見えることから、黄アジと呼ばれることがありますが、沖合を回遊するアジは体も黒っぽく、大きさも2倍以上になります。その大きさから、沖合を回遊する大型のマアジを鬼アジと呼んで、堤防から釣れるものとは区別しています。

 実は、大きなものに「オニ」をつけて小さなものと区別するやり方は、魚の世界では比較的一般的です。

 有名なところでは、通称マンタと呼ばれるダイバー憧れの「オニイトマキエイ」や、逆に、鋭い歯と凶暴な性格からダイバーに恐れられている、通称バラクーダと呼ばれる「オニカマス」などがあります。どちらも、普通の「イトマキエイ」や「カマス」に比べて大きいことからこの名前がついています。

 オニカサゴやオニオコゼなどは、大きさではなく、その見た目から「オニ」と付けられてるようなので、必ずしもオニとつく魚が大きいというわけではないようです。

 ちなみに、ややこしいですが、正式名称で「オニアジ」という魚もいるんです。

 主にインド太平洋の熱帯海域に生息するアジの仲間で、日本では南西諸島あたりで取れることがある希少な魚です。見た目はアジとカツオの中間のような姿をしており、目の位置が前方に寄っており、皮が非常に固く、アジ特有のゼイゴが尾からエラぶたまで伸びているのが特徴です。

 オニアジについても、大きさというより、固い鎧に身を包んだような風貌からオニがついたと考えるべきでしょうか。

 そしてもうひとつ、魚へんに「鬼」と書く魚もいるんですが、何だかご存じですか?

著者プロフィールを見る
岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

岡本浩之の記事一覧はこちら
次のページ