2009年の新型インフルエンザ流行時、厚労相だった舛添氏の私的アドバイザーを務めた山形大医学部附属病院検査部の森兼啓太部長はこう話す。

「当初は東京都など検査のキャパシティーが明らかに足りないところがあり、準備不足という点で確かに問題はありました。ただ、今は民間も含めて随分キャパシティーは大きくなっています。『山ほど増やせ』という意見もありますが、現状で適正な規模だと考えられますし、そもそもロジスティクス(工程)的に難しいのではないでしょうか」

 厚労省結核感染症課の医系技官、加藤拓馬さんも、そもそも感染者数が違うので外国との比較をしたうえで「増やせ」という議論には意味がないという考えだ。「感染予防の観点から必要な検査だけをやればよいのです」と話す。(編集部・小田健司)

AERA 2020年8月24日号より抜粋