新型コロナ感染収束には、実効再生産数を「1未満」に 数理モデルの基本は「算数」 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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新型コロナ感染収束には、実効再生産数を「1未満」に 数理モデルの基本は「算数」

上浪春海AERA#ジュニアエラ
新型コロナウイルスの感染拡大防止に「数理モデル」が使われている(写真/gettyimages)

新型コロナウイルスの感染拡大防止に「数理モデル」が使われている(写真/gettyimages)

●実効再生産数が「1未満」になると、感染は収束へ向かう

 わかりやすいように、Aという感染症の基本再生産数を2、aウイルスが感染させられる人に届くまでの時間間隔を2週間として、もしもある集団で全く対策を取らず、実効再生産数が基本再生産数と同じ2だった場合、感染がどのように広がるかを見てみよう。最初の感染者は、2週間で2人に感染させる。4週間後には新たな感染者が4人、6週間後には8人、8週間後には16人に増える。ほうっておくと感染者は増え続け、20週間後には新たな感染者が千人を超える。

 この場合、感染者数を減らすには、実効再生産数を「1未満」に抑えなければならない。効果的な対策を行い、実効再生産数をちょうど1に抑えられたら、新たな感染者は増えていかない。ただし減ることもないので流行は続く。しかし、0・5まで抑えられたら、新たな感染者数は2週間ごとに半減し続け、最後には0になり終息する。この数字をもっと小さくできれば、終息の時期をさらに早められる。

●新型コロナウイルスの対策をかけ算の式で解説!

 それでは、実効再生産数を減らすにはどうしたらいいのか、算数で考えてみよう。実効再生産数は、「感染確率×接触率×感染性期間」という三つの要素からなるかけ算の式で表すことができる。この三つの数値それぞれを小さくすれば、実効再生産数を減らし、感染の終息を早められるのだ。

 今回の新型コロナウイルスの流行で示された対策を、この式をもとに解説しよう。「感染性期間」は、患者を早めに隔離することや薬による治療などで減らせる。しかし、7月末現在、特効薬はまだ現れていない。だから、主に残りの二つで減らさなければいけない。

 次に「接触率」を減らすための具体的な数値目標として示されたのが、「人と人との接触機会の8割削減」だ。実効再生産数が前の説明と同じく「2」だとすると、この目標を実現すれば、上のかけ算の式は接触率の値が8割減るのだから、それだけで実効再生産数も「2」から8割減って「0・4」になる。これなら、「1未満」。感染の拡大を抑えられる。目標を実現するために効果的な方法としては、特に「3密」(密閉・密集・密接)を避けることも示された。


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