AERA 2020年8月10日-17日合併号より
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AERA 2020年8月10日-17日合併号より
AERA 2020年8月10日-17日合併号より
AERA 2020年8月10日-17日合併号より

 テレワークが浸透したことで、コロナ時代に住まいへの価値観が変化している。通勤時間が長くても、テレワークしやすい家を選べるエリアへの移住を考える人が増えている。どこに住むべきか迷うところ。AERA 2020年8月10日-17日合併号は、住宅、買い物、カルチャー、将来性、子育て、治安、医療、災害・行政の8項目の指針をもとにランキング化した。中部エリア、近畿エリアの結果を紹介する。

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 中部。金沢市、福井市、富山市など県庁所在地が上位を占める中、山梨県中央市が2位に食い込んだ。同市は経済誌が毎年発表する「住みよさランキング」でも上位の常連。豊かな自然と、山梨大学医学部附属病院、大型ショッピングセンターといった利便性が両立している。リニアの新駅も予定されており、将来性もばっちりだ。

 トップの金沢市は歴史情緒あふれる街並みが残り、観光地としても人気。同市住宅政策課では、「自然と美食、子育てと教育、仕事と住まい、医療や福祉など、幅広い世代を満足させる環境が充実しています。そんな金沢で暮らしてみませんか」と移住を呼びかけている。8項目のうち「子育て」「医療」「災害・行政」が10点満点だ。

 近畿のトップには、兵庫県福崎町と三重県東員町が並んだ。「ちょっと聞き慣れない」という人も多いだろう。

 福崎町は姫路市の北に位置する人口約2万人の町。山に囲まれ大都市とのアクセスには若干時間がかかるが、逆に様々なジャンルの大型店が町の中で一通りそろうのが魅力だ。人混みを避けたいコロナ時代にぴったりの移住先と言える。それを証明するかのように、2025年の将来人口推計では兵庫県内で唯一、人口増加の予想となった。

 同じく1位の東員町は8項目中6項目が7点以上。政策課によると「ちょこっと田舎、ちょこっと都会」をキャッチフレーズに、胎児から中学生までの「16年一貫教育」を掲げるなど、子育てにも力を入れている。

 3位の京都府長岡京市は京都市に隣接し、豊かな緑の中に大企業の本社や工場が溶けこむ風景が印象的。移住の受け入れにも熱心で、掲げるブランドコンセプトは「かしこ暮らしっく長岡京」。交通の利便性や子育て環境が充実した「かしこい暮らし」と、自然や歴史の豊かさを楽しむ「くらしっくな暮らし」を実現できるという。(住宅ジャーナリスト・山下和之、ライター・吉松こころ)

AERA 2020年8月10日-17日合併号より抜粋