次からは読書から自分の言葉を組み立てるためのステップを紹介します。

Step1「本を読む」
ぜひ親子で同じ本を読んでみましょう。お互いに複数回読んで気になったところや印象に残ったところにふせんを貼ったり線を引いたりしておきます。

Step2「親子の会話で言葉を引き出す」
それぞれの感想や気になったところを、本を見ながらやりとりをしてみよう。「おもしろい」「すごい」だけではなく、「どんなところが気になった?」「好きな場面はどこ?」など、具体的な言葉を引き出して、子どもの言葉を膨らませてあげてください。

Step 3「ふせんに言葉を書いておく」
1枚のふせんに1項目ずつ、印象的だったエピソードやそれを自分がどう思ったかなどを書いていきます。子どもが書きやすく見やすい大きなサイズのふせん(7.5センチメートルくらいの正方形)がおすすめ。 

Step 4「下書きをする」
書く内容を整理するためにStep 3で書いたふせんを3つの箱(1)「印象に残ったこと」(2)「あらすじ」(3)「自分の考え・主人公との会話・空想・夢など」に分けてから、自由に下書きをします。このとき、消しゴムを使わずに書くのがコツ。真っ黒になっても文字がマス目から飛び出してもOK。途中声に出して読み替えさせると書きたいことが整理されます。

Step5「清書する」
下書きには、自分の考えた道筋がそのまま残っています。自分の気持ちが入っているか、伝え忘れたことはないか、タイトルはこれでいいかなどを見直して清書してみましょう。

 読書感想文を書かないときも、親子で読み合ってそれぞれ感じたことを伝え合う習慣をつけておくと、読書体験がいっそう深まるうえ、本の内容が記憶にしっかり残ります。この夏、ぜひ家庭でも取り組んでみてはいかがでしょうか。

(取材・執筆/篠原麻子)

ノンフィクション作家・神山(こうやま)典士(のりお)さん

芸術、スポーツ、ビジネス、食文化と多岐にわたるテーマで活躍。2014年、「週刊文春」で作曲家・佐村河内氏のゴーストライター疑惑をスクープ、大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)を受賞し話題に。近著に『150冊執筆売れっ子ライターの もう恥をかかない文章術』(ポプラ社)。東京都世田谷区、文京区、埼玉県坂戸市で子ども作文教室を開催中。お問い合わせはmhd03414@nifty.com、080-3252-7449、株式会社バザールまで(その他の地域も相談にのります。遠距離からの作品添削も行います)。大人向けエッセー講座も開講中。

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篠原麻子
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