立教大も大胆だ。変更のポイントは二つ。まずは独自の英語試験の廃止だ。文学部の3科目による試験日を除き、独自の英語試験の代わりに、英語民間試験のスコアもしくは共通テストの英語の成績を活用する。両方提出することも可能で、独自の換算方式でより高い得点になる方を合否判定に使う。

 コロナ禍で英語民間試験が受けにくくなったことは想定外だったが、同大入学センター入試広報担当課長の和田務さんはその狙いをこう語る。

「本学ではグローバルリーダーの育成を目指し、20年度から1年次の英語ディベート科目を必修化した。そこに対応できる実践力と英語4技能を高める意欲のある学生に来てほしい」

 二つ目のポイントは受験機会の大幅な拡充だ。文系学部では最大5回(文学部は6回)の受験が可能だ。共通テストの成績のみを利用する入試も3科目型、4科目型、6科目型があり、様々な方式を組み合わせられる。

 一方MARCHの中で明治大、法政大、中央大は入試方式を大きく変えない。

 大学による対応の差は、志願動向にどう影響するのか。河合塾の富沢さんの見方はこうだ。

「個人的には早稲田政経や青学の個別日程での総合問題の導入は、国の大学入試改革の方向性に沿い評価しているが、敬遠要因になりそうだ。逆に来春の入試は『変わらない』ことが人気上昇の要因になると思う」

 今度の入試は受験生だけでなく大学関係者にとっても、不安と期待の入り交じったものになりそうだ。(編集部・石臥薫子、ライター・柿崎明子)

AERA 2020年8月3日号より抜粋