生田絵梨花(いくた・えりか、左):1997年、ドイツ生まれ。2011年から、乃木坂46の1期生として活動。グループの中心的存在。「レ・ミゼラブル」など、多数の舞台にも出演/妃海風(ひなみ・ふう):1989年、大阪府生まれ。2009年、宝塚歌劇団入団。15年、星組トップ娘役に就任。16年、退団。ミュージカルやライブ、テレビに出演(撮影/写真部・加藤夏子)
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生田絵梨花(いくた・えりか、左):1997年、ドイツ生まれ。2011年から、乃木坂46の1期生として活動。グループの中心的存在。「レ・ミゼラブル」など、多数の舞台にも出演/妃海風(ひなみ・ふう):1989年、大阪府生まれ。2009年、宝塚歌劇団入団。15年、星組トップ娘役に就任。16年、退団。ミュージカルやライブ、テレビに出演(撮影/写真部・加藤夏子)
Happily Ever After/生田さん演じるマリアは親の不和から逃れるように眠り、夢の世界へ。出会った青年と心を通わせ、新たな道を見つけだす。海宝直人さんとのきらめくような二重唱が美しい(撮影/桜井隆幸)
Happily Ever After/生田さん演じるマリアは親の不和から逃れるように眠り、夢の世界へ。出会った青年と心を通わせ、新たな道を見つけだす。海宝直人さんとのきらめくような二重唱が美しい(撮影/桜井隆幸)
CALL/「テルマ&ルイーズ」は聴衆のいない無人の場所でライブを続ける3姉妹のガールズバンド。劇場が舞台の今夜は不思議な先客と出会う。妃海さんは次女のオドリバを演じた(撮影/桜井隆幸)
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CALL/「テルマ&ルイーズ」は聴衆のいない無人の場所でライブを続ける3姉妹のガールズバンド。劇場が舞台の今夜は不思議な先客と出会う。妃海さんは次女のオドリバを演じた(撮影/桜井隆幸)

 7月11日、東京・シアタークリエで2本の新作ミュージカルが無観客で上演され、ネットで生配信された。プロジェクト名は「TOHO MUSICAL LAB.」。AERA 2020年8月3日号では、作品に出演した生田絵梨花さんと妃海風さんに話を聞いた。

【写真】生田さんと妃海さんが出演した舞台はこちら

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 中継されたのは1夜の1公演のみ。その後、2日間のアーカイブ配信も含めると延べ6千人以上が鑑賞。シアタークリエの客席数の約10倍だった。

生田絵梨花(以下、生田):無観客で演じる、ふわっとした緊張感は、とても不思議な感覚でした。少人数の舞台で温かい時間を過ごせたのも心地よくて。でもそんな経験をしたからこそ、やっぱりお客様の反応を肌で感じたくなりました。カーテンコールのときは、大勢のお客様が座っている客席を想像しながらお辞儀をしました。

妃海風(以下、妃海):私も今まで味わったことのない空気を感じました。短期間のお稽古でしたが、共演者の方たちとの一体感は強くなった気がします。ただ、やっぱりカーテンコールでは達成感があるのに寂しくて。これほどお客様の存在が大切と教えられた舞台はありませんでした。

 生田さんと妃海さんは制作発表のときが初顔合わせ。ミュージカルを心から愛する二人はすぐに打ち解けた。そこでインタビューではお互いに聞きたいことはないか、たずねてみた。

妃海:私は「かわいいは正義」と思っていて、アイドルが大好きなんです。私もかわいくなりたいと日々、努力しているんですが、生田さんが思う「かわいい」を教えてください。

生田:かわいいの定義ですか(笑)。私が乃木坂46のメンバーをかわいいと思うのは、好きなものを食べてうれしそうにしているときです。喜びがあふれているのがかわいくて。

妃海:わー! その気持ち、分かります。かわいいですよね。

生田:私は妃海さんにお会いして、「こんなに太陽のように周囲を明るくする方はいない」と思いました。妃海さんのように初対面の人とも親しくお話しできるコツを教えてください。

妃海:じつは私、超がつく人見知りでした。でも、たくさんの方と話すうちに悪い人はいないと気づいたんです。どんなに怖そうな人でも絶対にいい人。それからは誰に話しかけても大丈夫と思えるようになりました。

生田:すごく勉強になります。私も人見知りなので、どうしたらいいのかと思っていたんです。これからは「全員がいい人」と思ってお話ししてみるようにします。

(ライター・角田奈穂子)

AERA 2020年8月3日号より抜粋