筆者が子供の頃、近くの河でナマズに似た魚を釣り上げた時、その魚が「ギィー、ギィー」と鳴いていてびっくりしたことがあります。近くにいた大人に「この魚の名前は何?」と聞くと、「ギギじゃ」と教えてくれました。

 冗談みたいですが、鳴く魚は、その鳴き声に由来する名前で呼ばれていることが多いんです。

 他には、胸びれが飛行機の翼のように立派なホウボウという魚は、浮袋を使ってホォーボォーと鳴き、釣り上げられるとグゥグゥと鳴くイシモチは、まるで愚痴を言っているように聞こえるとのことで、筆者の地元ではグチと呼んでいました。

 これらの魚の鳴き声は、仲間とのコミュニケーションではなく、水中から空気中に上げられたりして環境が変わったことで出るもので、特に意味はないようです。

 グチが、「せっかく広い海の中で自由に過ごしてたのに、釣り上げられるとは、なんて運が悪いんや…」と愚痴っていたら面白いとは思いますが……。

○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2019年11月から、執行役員 広報宣伝IR本部 本部長

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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