「ネット社会では自分が知りたい情報ばかり集める傾向が強いだけに、関心を広げてくれるやべっちF.C.のような番組に大事な役割があると思います」

 その一方で、こうも言う。

「コンテンツの重要な柱である選手自身が発信できる時代になり、視聴者もテレビからデジタルにシフトしていくのは仕方のないことかもしれません」

 今年5月に「NumberWeb」で番組についての記事を書いたスポーツライターの佐藤俊さんも同じことを指摘した。

「番組が始まった18年前はテレビが伝える情報が一番でしたが、近年は選手やクラブが自らネットで発信するようになった。特に新型コロナウイルス感染拡大の中で活発化し、元選手たちがリモートで過去の大会を語り合うなどテレビがやりたい企画をいとも簡単に実現しています。このスピード感とネタの充実度はテレビの脅威。必ずしもテレビでなくてもいいという時代に変わってきた気はしています」

(編集部・深澤友紀)

AERA 2020年7月20日号より抜粋