実は、養殖の真鯛は前後の鼻の穴がつながって一つになっていることが多いんです。

 原因についてはまだ良くわかっていませんが、真鯛の場合、前後の鼻の穴を隔てる壁は、孵化後に形成されると言われています。養殖の真鯛は天然の真鯛と比べて密度が高い環境で育てられていることから、ストレスなどが影響して隔離する壁がうまく形成されないことが多いのでは、とも言われています。

 真鯛が美味しい季節は、産卵期直前の春から初夏にかけてです。養殖真鯛もこの季節に需要が大きく膨らむのですが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、最需要期に料亭やレストランの多くが休業や時短営業、さらに外出自粛の影響もあって、非常に多くの真鯛が出荷できずに困っています。

 そこでくら寿司では、普段からお世話になっている愛媛県の養殖業者さんから、200トンの真鯛を追加で仕入れました。

 これらの真鯛は、鮮度が落ちない最新の特別な冷凍技術を使って冷凍保存して、今年の秋以降に今までにない新メニューとして提供させていただきます。

 脂の乗った最高の状態で冷凍保存された、真鯛の新メニューにぜひご期待ください。

○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2019年11月から、執行役員 広報宣伝IR本部 本部長

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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