Q4:次亜塩素酸水の効果は?

久住:噴霧はしないで

 次亜塩素酸はタンパク質を壊し、ウイルスを不活性化します。人間の細胞にも同じ作用があります。次亜塩素酸を含む水を噴霧することで肺に障害を起こしたケースも報告されています。自己判断で市販の漂白剤などを薄めて噴霧することも危険です。

Q5:宅配便の箱、スーパーで買った食材も消毒してます

宮沢:怖がらなくて大丈夫

 段ボールの表面で新型コロナウイルスが24時間生き続けたというデータはありますが、あくまで実験条件下での話。実際にはウイルスが段ボールに付着しても、運ばれている最中に死んでいき感染力を失います。ウイルスが染み込んでいても乾けばそこに留まったままです。

久住:感染事例はありません

 スーパーの入り口で手指を消毒して、商品を選ぶ際あちこち触らなければ問題ありません。野菜の表面でウイルスは長生きできませんが、心配なら調理前に水洗いすれば十分。ビニールなどツルツルしたものの上でウイルスは長生きすると言われますが、それで感染したという報告はありません。冷蔵庫にしまった後、手を洗えばいいのです。

Q6:トイレもまめに消毒?

久住:これまで通りでOK

 家庭のトイレ消毒は今まで通りで構いません。トイレだけ清潔にするより、トイレ後の手洗いを徹底するほうが大切です。

 不特定多数の人が使う職場のトイレや公共のトイレは、1日に数回清掃されていることがほとんどなので問題ないでしょうが、心配なら便座クリーナーを持ち歩いて拭いてください。

(編集部・石臥薫子、小長光哲郎)

AERA 2020年7月6日号から抜粋

■アエラでは、「新しい生活様式」を感染拡大防止の効果は維持しつつ、より合理的で続けやすい形にアップデートすることを試みました。発売中の「AERA 2020年7月6日増大号」では、4人の専門家に取材。27つの「新しい生活常識」を提案します。