黒人男性ジョージ・フロイド氏(46)が、白人警官に膝で首を圧迫されて死亡したのをきっかけに高まった「Black Lives Matter(BLM、黒人の命も大切だ)」運動への対応にも批判が集まっている。トランプ氏はデモを「テロ行為」と非難。ツイッターでも一部の暴徒や破壊行動などを取り上げ、今回のBLM運動全体がいかにも危ないかのように非難している。さらに、暴徒が夜間に横行していた際は、州兵など軍隊の出動を指示した。

 これには、マーク・エスパー国防長官(56)、ジェイムズ・マティス前国防長官(69)らが公式に反論した。トランプ閣僚から批判があがるのはほぼ初めてだ。

 6月4日時点のトランプ氏の支持率は39%、不支持率は57%。過去数週間は支持率と不支持率が拮抗していたが、不支持率が大きく上回った。

 さらに11月の大統領選挙の支持率調査(エコノミスト/YouGov)では、トランプ氏支持が41%に対し、事実上の民主党大統領候補となったジョー・バイデン前副大統領(77)が50%と、誤差の範囲を超える差が浮き彫りになってきた。

 ホワイトハウスは16日にはボルトン氏の著書の出版差し止めを求めたが、トランプ氏の支持率低下を加速させるさまざまな要素が積み上がっているのは間違いない。(ジャーナリスト・津山恵子=ニューヨーク)

AERA 2020年6月29日号