「anti-itch cream(抗かゆみクリーム)ね」


 やっぱりそのままなのかー!!!

 ともかく、そのネーミングそのまんまクリームがあるかどうかを店員さんに尋ねたところ、やはりないとの回答でした。薬局なのに、ないのかかゆみ止め──。釈然としないまま、それでも薦められた通り近所のドラッグストアに場所を移すと──今度はありました。anti-itch creamではなく、itch stopping cream(かゆみ止めクリーム)やitch cooling spray(かゆみ冷却スプレー)など名称はさまざまで、依然として虫さされに特化しているものはありませんが、それらしき商品が4~5種類並んでいます。いやはやよかったと手を伸ばしましたが、ふと疑問が湧きました。これ、2歳児に使ってもいいのかな? ステロイド入りはよくないと聞くし、ここにあるのはextra strength(さらに強力)なんて書いてあるごっついパッケージの商品ばかりだし。きっと子ども用を探したほうがいいよね?

 そこでわたしはまた、店員さんに尋ねました。子ども用のかゆみ止めクリームを探しているんですが、ありますか?

「子ども用はないですね。かゆみ止めはこの棚にあるだけです」
 なんだとー!!!?

 結局、2歳以上ならどれも使えると聞いて一番ごつさ控えめな商品を買って帰ったのですが、どうにも納得できません。1軒目の薬局にはかゆみ止めがなく、2軒目には数種類あるものの2歳以下用はなく、虫さされに特化した商品もなかった。Amazonで探せば「子ども用」とか「虫さされに」と謳った商品は見つかるんですが、銃とタバコ以外の日用品ならなんでも売っているといわれるAmazonでは売っていない日用品を探すほうが難しく、リアルなお店、薬局に置いていないって、一体アメリカの虫さされ事情はどないなっとるねん! と慣れない関西弁でつっこみました。

 もしやアメリカ人って、蚊にさされてもかゆみ止め使わないの? 娘の足にクリームをぬってやりながら、配偶者に聞いてみました。
「そういえば僕はぬったことないなあ」
 ほんとに? かゆくないの?
「多少はかゆいけど、2~3日ガマンすれば治まるじゃない」

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日本に行ったら大量買い