前出の有賀准教授は、コロナ禍をきっかけにした変化も感じているという。

「自分の生活に政治が直結してくるので、普段は無関心な若者たちも政治家の発言などに敏感に反応している様子があります。このような状況を『脱馴化』といいます。慣れから解放されて、新しいフェーズが始まっているようです」

 持続化給付金については、さらに疑惑が深まっている。給付金を担当していた経産省中小企業庁の前田泰宏長官が米国視察旅行の際に開いたパーティーで、協議会理事を務める電通関係者と同席していたことも週刊文春の報道で発覚し、国会で追及が始まった。元中小企業庁長官で安倍首相側近の長谷川栄一首相補佐官がかつて顧問だったイベント会社も今回、一部を電通子会社から請け負っていた。

 利益誘導は本来、疑われることすら避けるべきだ。説明責任を伴う権力側に、「推定無罪」を適用させてはいけない。(編集部・小田健司)

AERA 2020年6月22日号より抜粋