会見に同席した伊藤さんの代理人弁護士、山口元一弁護士は、はすみさんの投稿は、侮辱的で伊藤さんの名誉感情を深く傷つけるものだとして、 「非常に悪質性が高いと判断した」と話す。

 はすみさんには5月14日に内容証明郵便を送ったが、会見時点で連絡はないという。

 また今回は、はすみさんのほか二人に対しても提訴している。ほか二人の被告は、医師とクリエイターで、ともにはすみさんの投稿をリツイートすることで伊藤さんの名誉を傷つけたとして、「リツイートの行為主体としての責任を負うべき」(山口弁護士)と指摘する。

 ネット上の誹謗中傷は近年激しさを増している。今も相手の人格を否定し尊厳を傷つける、むき出しの悪意の言葉が飛び交う。伊藤さんは、法整備など何らかの受け皿が必要とし、今この瞬間にもネットでの誹謗中傷で苦しんでいる人に、こう呼びかけた。

「一人でいると追いつめられるので、なるべく一人でいないでほしい。私もそうでしたが、オンラインでいいので誰かと話をしてください。きっと誰かが手を差しのべてくれます」

(編集部・野村昌二)

AERAオンライン限定記事

著者プロフィールを見る
野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

野村昌二の記事一覧はこちら