話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』では、毎号、一つのスポーツを取り上げて、やっても見ても楽しくなるうんちく(深~い知識)を紹介。6月号は、ソフトボールを取り上げたよ。

山田恵里選手(写真/gettyimages)
山田恵里選手(写真/gettyimages)

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【競技の内容】
 9人ずつの2チームが攻撃側と守備側を交代しつつ、守備側の投手が投げたボールを攻撃側の打者がバットで打つなどして得点を争う。野球とよく似ているが、ボールの大きさや投手の投げ方、球場のサイズなどが違う。

【ソフトボールのうんちく6連発!】

(1)ルーツは室内野球
 ソフトボールは、「手軽に楽しめる野球」として生まれたスポーツだ。ルーツの一つがインドアベースボール(室内野球)。1887年にアメリカ・シカゴの体育館で、ボクシングのグラブをボールに、ほうきをバットに「野球」をしていたのをヒントに生まれた。同時期にこうした競技がいくつも生まれ、1926年にはそれらを統一してソフトボールと名づけられた。

(2)野球よりボールは大きい
 ソフトボールには、野球よりも手軽に、だれでも楽しめるための工夫がいくつもある。球場サイズは野球より狭く、ボールも野球より一回り大きくて、打ちやすいけれどあまり遠くに飛ばないように工夫されている。投手は、野球は上からも下からも投げられるが、ソフトボールではスピードが出ずに打ちやすくなるよう、下から投げなければならない。

(3)体感速度は時速170キロメートル!
 ソフトボールは、手軽に楽しめるスポーツとして親しまれる一方、本格的に打ち込めるスポーツとしても発展し、技術が進化した。投手が腕を豪快に回転させる「ウインドミル(風車)投法」が生まれ、現在の最高時速は約120キロメートル。野球の約160キロメートルに比べると遅いが、打者との距離が野球より近いので、体感速度は野球なら170キロメートル程度に相当するといわれる。

(4)ボールが浮く「ライズボール」
 投手の技術の進化は、球速が速くなったことだけではない。ボールが曲がる「カーブ」、下に落ちる「ドロップ」など、ボールの進み方にさまざまな変化をつけた「変化球」の技術も、野球と同様に発達している。なかでも、打者の手元で浮き上がる「ライズボール」は、野球ではほとんどお目にかかれない、ソフトボール特有の変化球だ。

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AERA編集部
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