「会議中、奥さんが帰宅し、お風呂の掃除を頼まれた音声が、流れてしまった。会議の場が明るくなった」(50代・男性・会社員)

 画面の向こうの相手の日常に想像力と思いやりを持つことは、働き方が変わるきっかけになるかもしれない。

 一方で、意外なデメリットも報告された。

「会議ではビデオをオフにして社内のデータ量を減らしましょう、と言われている。そのため服装や髪形、背景など、気にしなくなっている自分が怖い」(50代・男性・会社員)

 人に会わないとなると、身だしなみへの気配りは確かにゆるみがちだ。

 多くは新しい働き方に戸惑いつつも、概ね歓迎しているもよう。前の50代の男性会社員は、こうも付け加える。

「会議前後の世間話や内緒話がオンラインではできず、根回し的なことができなくなったのはデメリット。でも、今まで会社で過ごしていた無駄な時間も明確に。アフターコロナの新しいビジネス展開では、在宅ワークは当たり前に定着すると思う」

 ちょっぴり愛おしくなる無駄だらけ、不満だらけのビフォーコロナの日々、今はバイバイ。アフターコロナの働き方が、少しでもよい方向に進歩しますように。(ライター・福光恵)

AERA 2020年6月1日号